唐招提寺の子院に快慶仏

最初唐招提寺にお電話して西行院のご住職の電話番号を教えていただいて、予約の電話を入れました。

当日だったのにも関わらず、どうぞお越しくださいと言っていただきました。

唐招提寺駐車場に車を停めて、唐招提寺の門を通り越してまっすぐ行くと近鉄の線路にでます。

線路を越して少し行くと右手の道沿いに西行院が見えてきます。

ここでピンポン押すと、ご住職がでてこられて、奥の収蔵庫に回ってくださいとのこと。

生憎の雨でしたが、気持ちよく拝観させていただきました。

収蔵庫の中に一体で立っておられます。

鎌倉時代を代表する仏師である快慶の晩年の三尺阿弥陀像で、足のほぞに「巧匠法眼快慶」と署名があるので、快慶が法眼に叙せられる1208年から1210年頃のことであり、

死去するのは1227年以前とわかっているので、晩年の作で、着衣の仕方からみて晩年の比較的早い時期ということがいえるらしい。

ご住職が2度盗難に遭ったけれどそのたびに戻ってきたこと、お寺が無住の時期もあり東京国立博物館に寄託されていたりしたが、収蔵庫を建ててやっとここに戻ってこられたと言われていました。

快慶の快慶らしい、綺麗な安阿弥様の阿弥陀様です。

庭の手入れもご住職がご自分でされていて小奇麗にされていますが、近所の人からは、もっとばっさり枝を落として欲しいといわれるそうです。

境内には唐招提寺のうちわまきをはじめた中興の祖「証玄」の墓の五輪塔があります。

今年からは、うちわを上からまくのではなく、抽選券を配ったと確かニュースで報道していたと思います。

外から敷地全体を見回すとかなり広いですが、唐招提寺のように人が大勢訪れることもなくひっそりとした静かなお寺でした。

その後、唐招提寺を見学しましたが、雨だったので、普段よりずっと人も少なくゆったりと拝観することができました。

新宝蔵館も拝観してきましたが、客仏だった大日如来を挟んで向かって右側の威厳ある衆宝王菩薩立像や獅子吼菩薩立像だけではなく、左側の宝生如来立像や乾漆観音菩薩立像もゆっくりと拝観してきました。

宝生如来の上半身の体の造りと室生寺の弥勒堂の本尊 弥勒菩薩とは大きさは全然違うけれど技法に共通性があるので、何かしら関連があることが指摘されると書かれていました。

乾漆像は、菩薩としては姿が完全ではないけれど乾漆造りということが良くわかります。

何度訪れても見ごたえがあるお寺です。