いろいろな雰囲気が同居する庭

住み手と造り手が好みと感性をきわどく貫抜けば、どんな手法と素材を使っても、違和感なく一つの庭を造ることが出来る好例だと思います

前庭から中庭への狭い庭

建物に使われた瓦の残りを、ただただ差し並べて造った延段。

和でも洋でもない木戸を開くとテラスに心地よさそうな洋の庭の気配が。

中庭

大きな古いひき臼から湧き出た水は、細い水路を心地よい音を奏でながら流れます。

コハウチワカエデが秋には、鮮やかな黄葉で染めてくれる中庭は、三方の部屋から、それぞれのアングルを楽しめる贅沢な眺めの庭。

洋の庭

古耐火レンガのテラスと小路で花の庭を楽しみます。

春にはツルバラのカクテル、宿根草のフロックスピロサ、アイリス、スカビオサ他の花。秋にはサルビア、オイランソウ他。

夏から冬まで美しく咲き続けてくれるのが意外にブーゲンビリアなのです。

茶庭

本格的にしつらえた茶室に対して露地庭を造りました。四角の生込灯籠と太鼓型の水鉢で、つくばい廻りを組んでいます。

露地庭の背景を造っている板御簾垣は、押縁は竹、板は輸入のデッキ材で造られています。
普通ならば竹の御御簾垣でいくところですが、庭全体の気分と耐久性を考え防注板材を使用。

こだわりのディティール

通路灯

うさぎが描かれた古瓦で作った通路灯。ヤブ椿の花が咲く時は一段と趣きが。

外部のステンドガラス

室内のステンドガラスに触発されて、ガラスのゴロ太で庭のステンドガラスを造りました。

袖垣（中庭）

細い曲った丸太をあみだくじ風に組んだ袖垣は、隣り合わせの洋と庭との軽い区切り。